Exhibition展示案内

展示案内

「 F O R E S T 」

2023.02.22Wed - 03.02Thu

望月 久

私が安比高原を仕事で訪れたのが40年前。その時、偶然出会ったブナの巨木になぜか心惹かれ、安比高原の森の撮影が始まりました。
しかし、巨木はその20年後に一本の枝が、その数年後にはまた一本と落ち始め、数年前にはとうとう朽ち果ててしまいました。
その後も安比高原での撮影は続きますが、いつからか、「安比の森を撮っているのではなく、当時、朽ち果てつつあったブナの木を通じて、同じように歳を重ねてきた自分を見つめ、命あるものの儚さを表現できれば」と思い撮影をするようになりました。
八幡平の樹氷も、木々たちが雪を纏わないと厳しい冬を生き抜いていけない故の姿です。朽ち果てるものや、冬に姿を変え生き続けようとする生命
安比高原と八幡平の森を撮るということは、実は、「自分自身の生き様を撮っている」と強く感じ、これからも撮り続けて行きたいと思っています。


なお、今回展示する作品はアメリカバーモント州にあるピエゾグラフィー社(Piezography)のピエゾグラフィープロでプリントしています。このインクはグレーからブラックまで7色のインク+フラッシュで構成されたモノクロ専用インクです。

展示詳細

会期
2023年02月22日(水) ~ 03月02日(木)
11:00 - 18:30 日曜日定休 (最終日 17:00閉場)
※社会情勢により時間や期間を変更する場合があります。

望月 久Hisashi Mochizuki

1946年東京生まれ

写真家白川義員氏の助手を経てフリーに。1998年、2005年、山岳雑誌「山と渓谷」の表紙を2回延べ2年間撮影する。
また、全日空機内誌「翼の王国」で多くの国々の取材や、週刊文春連載「野菜のルーツ」など多くの雑誌を中心に活躍。特に、‶野菜はどこから来たか?″をテーマにした「野菜のルーツ」では野菜の野生種を求めて6年間で60カ国を取材。

環境省富山県中部山岳国立公園黒部川欅平ビジターセンター、岩手県八幡平国立公園網張ビジターセンターの大型ディスプレー用写真撮影のため、延べ2年間にわたり両地域に拠点を構え撮影。
2004年、北京故宮での紫禁城国際写真展に中国及び外国人著名写真家と共に招待参加。北京市対外交流部の招待で2008年、北京オリンピックの写真集「オリンピックの街・北京」の撮影で世界の10人の写真家の一人として参加。
2008年北京故宮神武門と東京有楽町・東京フォーラムにおいて両国30数名による日中写真交流展を主宰。
キヤノン中国の依頼で中国全土の自然風景を撮影 中国の写真雑誌の連載やカレンダー、オリジナルプリントによる作品集を制作。

写真展
「樹氷原」 ニコンサロン、「黒部峡谷」 銀座富士フォトサロン、「黒伏高原の四季」山形県庁舎、キヤノンカレンダー展「八幡平・安比高原の四季」銀座キヤノンギャラリー、品川キヤノンギャラリー、「森厳」東京台場ギャラリー21、北京泰吉軒画廊、湖北省宣昌市、四川省成都市他多数

共著
「愛しき山河」歌人福島泰樹氏と現代短歌と自然写真とのコラボレーション