Exhibition展示案内
展示のスケジュール
Majestic Airport
2024.10.02Wed - 10.10Thu
林 岳児
着陸間際、眼下の景色に心を躍らす旅人がいる
離陸を知らせるチャイムに、静かに故郷への別れを告げる人もいる
大切な人との再会を待ちきれない人もいるかもしれない
旅客機は多くの人の想いを乗せて飛ぶから、魅力が尽きないのである
しかし、轟音と共に飛び去った感情たちは、二度と戻ってはこない
それならせめて、今ある一瞬を写し留めておこう
それぞれの空港にある土地柄や空気感、そして名もなき季節の色を添えて
INTERMEZZO- 世界が静まる時 -
2024.10.16Wed - 10.24Thu
Giovanni Piliarvu (ジョバンニ・ピリアルヴ)
場所よりも、時間が重視される。夜、その多彩な色合いと移り変わりの瞬間は、毎晩黄昏から夜明けまでの唯一無二の旅を提供します。
地理的なルートに従わず、一日の終わりから次の日の始まりへと移り変わる時間の中を歩みます。
太陽と共に生きる私たちが普段気づかない瞬間を見つける旅です。日が沈むと、空は暖かい色に染まり、やがて夜が訪れます。深い闇が広がり、遠 くの星々が輝く夜の旅の終わりに、新しい一日が訪れる夜明けが待っています。
この展示では、 地理的な距離を超え、想像の中で一夜を過ごし、その多様な顔を発見します。
RENCONTRE À PARIS- 巴 里 で の 出 会 い -
2024.10.30Wed - 11.07Thu
Ryo Sasaki
2014・2018・2023年に訪れたパリのストリートフォトである。
パリを街歩きすると移民国家なのかその寛容さ明るさと好い加減さと時に怪しさを感じるが、私はそんなパリが好きだ。作品を語れるコンテクストは特にないがその長い歴史と人間味に魅力を感じひたすらシャッターを切った。
パリは撮り尽くされと言われているが時代が街が変化する限り様々な情景と人びととの「出会い」があり、その瞬間を撮る事に喜びを感じる。
展示作品は全てモノクロームでフィルム・バライタプリントとデジタル・ラムダバライタプリントで表現した。
BANGLADESHDESTINATION
2024.11.13Wed - 11.21Thu
大村 英明
私の長い旅(東南アジア)の最後の目的地はバングラデシュだった。教科書などで名前は知っていたけど、その国がどこにあるかも分からず、観光資源も少なく、仕事で行く機会もなく、もしかするとこの国を見る事なく終わりを迎えるかもしれないと思っていた。
2022年、コロナワクチン接種証明書を持って出国しなければならない時期に最初の渡航を試みた。飛行機が高度を下げていくと、雲から見える街並みは想像していたよりも近代的に見えて、少し前の東南アジア程度にしか見えなかった。イミグレーションを出るときに、日本人だけに用意されたアライバルビザのカウンターを発見して、日本とバングラデシュの深い関係性を知った。
沢山の国を一人で旅して来たが、初めて現地ガイドを付けて旅をする事になり、空港でガイドと合流。夜遅くに到着して、初めてここがカオスな国だと実感した。力車、バイク、バス、乗用車が無秩序に行き交う様に驚愕した。目を開けて前を見る事ができない、数センチ単位で止まる車やバイク、右側左側でもお構いなしに走る。クラクションを鳴らす音は半端ない。ホテルまでの道中で、なぜここに来たんだろうか?14日間も耐えられるのか?初めて後悔してしまった。
到着の翌日オールドダッカに出向き撮影を開始したが、ガイドから離れるなとの指示の元に、街中をぶらぶらと撮影開始した。ダッカでも一番の場所にもかかわらず、一人の外国人にも遭遇しない。こんな事初めての経験であったが、行き交う人にカメラを向けても嫌な顔もせず、沢山のスナップを撮らせてくれる。昨今、肖像権云々と言われて、なかなかスナップを撮れないご時世だが、ここバングラデシュは違う。どんどん撮ってくれと相手から言ってくる。
最初の訪問から2年の間に4回もバングラデシュを訪れるとは思ってもいなかったが、街に慣れ人に慣れてしまうとこの国が好きになってしまう。宇宙にいくよりも、海底探査にいくよりも、目線の高さの先にあるまだ見ぬ国があることに気付いた。
そろそろ終焉を迎える年になってきたが、この国に出逢えて改めてエネルギーをチャージ出来たのかもしれない。バングラデシュの貧困生活を送る子供たちは、目が覚めると今日一日何が食べられるのか、親が与えるものは僅かだから自分で探さなければならない。そんな境遇の中、今日と明日を迎えている。何もできないけど、何かを残してあげたいと思っている。
Existence
2024.11.27Wed - 12.05Thu
Hiroshi Yoshida
目には見えていなくても確かにそこにあるものを私たち人間は感じ取ることができます。たとえそれを意識することができなくても心身の随所は反応していて、時が経つとそれとは全く違った形で目の前に姿を現すでしょう。
約14年間、時に1日の大半を川や海に入り自然の水の流れや光を体感し、その様々な表情に心を動かされてきました。川を渡りながら壁が動いてくるような勢いや圧を感じたり、冬には肌を裂くような鋭さや硬さを感じました。
そんな水の姿を僕の解釈も含めて、実際にレンズを通した撮影でしか残し得ない滲みやズレ、差異を大切にしながら体感した水と光の経験を元に作品としています。
石と水の作家 Hiroshi Yoshidaの水と光をテーマにしたGRAPHICシリーズ、是非会場にてお楽しみくださいませ。