Exhibition展示案内

展示案内

山 の む こ う

2025.06.18Wed - 06.26Thu

佐藤 啓太

太古の人々が見た景色を、現代の我々も見ることは出来るのか。
時間を越える景色を求めた写真家たちは、海の水平線という原始的な直線や、
人の営みとは関係なく循環する森、そのような景色を撮影するに至った。

古代から神仏の感得を求めて山を歩いた人々は山中に何を見たのだろう?
山は恵みの地であると同時に神霊の住処であり魑魅魍魎が彷徨う他界であった。
中世に成立した修験道では山を曼荼羅そのものとし、行法の成就には大自然と自己が二つで一つになる感覚を得ることが重要とされた。

山のものでありながら山のむこうを幻視させるもの。
ありふれた、何気ない景色の中に大きな力や崇高さを伴う顕れを見出すこと。
登山を続ける中で私は、遥か昔の人々が神仏を感得するに至った景色とはそういうものではないかと考えるようになった。

山のむこう、景色に潜む崇高さとの邂逅を繰り返すことが、大自然と自己が二つで一つとなるための道であり、山中において神仏の感得を求めた人々と同じものを見る事にも繋がってゆくのではないか?

そう考えて私は山を登り続けている。

展示詳細

会期
2025年6月18日(水) ~ 6月26日(木)
11:00 - 18:30 日曜日定休 (最終日 17:00閉場)
※社会情勢により時間や期間を変更する場合があります。
※スペースの関係上、お祝花はお断りさせていただいております。

佐藤 啓太Keita Sato

1985年 北海道出身。

2008年 東北芸術工科大学卒業。
2014年より登山ブログ「Redsugar」で登山記録の連載を開始。
日本各地の山を登り撮影を続け連載は10年目となる。
ブログとSNSを中心に活動しつつ、山岳雑誌等に写真の寄稿を行う。