Exhibition展示案内

展示のスケジュール

鉄道のカタチ Part2 エロい? 鉄道

2025.09.03Wed - 09.11Thu

鈴木 啓公

2024年、私は鉄道の車両や構築物を撮影した「鉄道のカタチ」という写真展を発表しました。 これら「鉄道のカタチ」のなかには、未発表作を含め、 どことなくエロスを感じる作品がありました。 こんどはそれを感じる作品を集めて、無機物だけでエロチシズムを表現しようと思い立ちました。

車両や構築物は、無機物のはずなのに、ときに動物的な顔つきや、淫靡な雰囲気をみせたりします。 曲線と直線の組合せが悪戯をしているのか?光と影、空間のなせる技なのか? 理由はさまざまですが、鉄道のカタチにはやはりエロスが潜んでいると私には思えるのです。

妄想がふくらみ過ぎる人がいるかもしれません。どこがエロティックなのかわからない人がいるかもしれません。 感じ方は、人それぞれでいいと思います。ぜひ、自由に、ご自身の感覚でお楽しみください。

※展示作品に性的な描写を含んだものはありません。

ま な ざ し- 君 と 過 ご し た 日 々 -

2025.09.17Wed - 09.25Thu

PENTAX67展メンバー

私たちは、PENTAX67という中判フィルムカメラで、 目の前の風景と向き合ってきました。フィルム1本で10枚しか撮れず、現像するまで仕上がりも分からない。コストも時間もかかる、不便さを含んだカメラです。

それでも、物質として残るフィルムの確かさ、そして中判ならではの奥行きある写りに惹かれ、私たちは今もフィルムで撮り続けています。
限られた枚数の中で、どんな写真を残すか。
そのことを自然と意識するようになりました。撮った写真は、忘れられることなく記憶に刻まれます。

今回集まった4人は、日常的にPENTAX67で撮影している仲間です。 時間の流れ、関係の輪郭、愛おしい存在のぬくもりまでも、どうしても残したいと思った一瞬を、大切にフィルムへ残してきました。

4人のまなざしが写し撮った、ささやかな時間を感じていただけたら嬉しいです。

TOKYO, Multi Layered City -Spinout-Dear neighbors,

2025.10.01Wed - 10.09Thu

小城 崇史

「東京を撮りたい」その思いだけで川のほとりに住むようになって、早2年の歳月が流れた。「水の低きに就く如し」と言い表したのは孟子(*1)だが、徳川幕府の入府以降町人の町として栄えるこの地域には、人々の心に安らぎを与える何かがあり、その真ん中に位置する川の存在が大きい。そして、その安らぎを享受しているのは人間だけではないことに気付かされたのは、実は割と最近のことだ。聞けば鳥類の生息地として劇的な変化を見せているのは、あの大震災(*2)以降だという。一方で、川沿いのテラスに目を向けるとあらゆる生き物がその存在を脅かされることなく過ごす様子が当たり前の光景として展開されており、江戸時代に公布された生類憐れみの令(*3)が今も生きているように感じられる。どうやら、水の低きに吸い寄せられるのは人間だけではないようだ。そこで川のほとりにやってくる隣人達=鳥類の姿を、彼ら彼女らの生活域を侵さないようそっと観察することにした。 これも、東京に生きる隣人達の一片であることが伝わればうれしい。


(*1)中国の思想家。ものごとが自然な成り行きで進むこと、人間には自然の流れは止められないことを意味することば
(*2)東日本大震災(2011)以降、ウミネコの営巣・繁殖が増加しているため、江東区・墨田区等隅田川流域沿いの自治体では防除対策を広報している。高層マンションの屋上などに営巣するケースも多く、その受け止め方も様々だ
(*3)江戸幕府五代将軍・徳川綱吉が発布した動物愛護を目的とした法令の総称。犬・猫・鳥・魚・牛・馬その他多くの生き物を対象としたとされる