Exhibition展示案内
展示のスケジュール
R A I N B O W
2025.04.16Wed - 04.24Thu
大塚 滋
20代の頃、モノクロフイルムで写真を撮り、現像も自ら行なっていた。
自宅に暗室を作り、これからプリントを楽しもうという時に、現像液で手が荒れてしまった。
友人に勧められた遠くの病院に通ったり、色々な薬を試してみたが、治る感じがしなかった。
次第に写真を撮ることも辛くなってしまった。
もう写真はやめようと決めて、カメラや暗室の道具を全て手放し、撮影して現像していなかったフイルムも捨てた。
それでも写真の世界で30年生きてきた。
ある時、人生の節目となる旅に出た。
借りたデジタルカメラを鞄に入れて。
久しぶりにしっかりカメラを構えた瞬間、心が震えた。
まるで初めてカメラを手にした日のように、純粋なワクワク感がよみがえり
気が付けば夢中になってシャッターを切っていた。
この写真は、その旅の記録。
写真を通じて振り返る自分の人生には、消化できたこともあれば、まだ抱え続けているものもある。
それでも、この旅を経て、『よかったな』と素直に思えた。
思い返せば、雨の日の様な気持ちでいることが多かったのかもしれないが、
雨が上がったら、またカメラを持って旅に出たい。
新 ば し 芸 者 の お 気 に 入 り(東をどり 第100回記念)
2025.05.14Wed - 05.24Sat
花柳界とは芸者文化の残る地域を指し新橋花柳界は江戸時代を起源とし現在まで続く京都祇園他と並ぶ品格と格式のある花柳界です。
芸者衆は三味線、舞踊、唄、茶道等の芸に常に精進を欠かしません。また舞踊であれば尾上、西川、花柳三流の家元の直弟子であるなど芸についてはトップクラスの実力の持ち主です。
その芸の発表の場としての東をどりは大正14年に落成した新橋演舞場のこけら落とし公演として始まり今回記念すべき第100回の公演が5月21日から27日まで新橋演舞場で開催されます。
新橋花柳界は客と店・芸者との信頼関係を大切にするため、いわゆる一見さんお断りの世界ですが東をどりを通じて新橋の文化に広く触れることが出来ます。この度東をどり第100回を記念し写真展「新橋芸者のお気に入り」を開催いたします。 新橋芸者が花柳界での仕事に、お稽古に使用する小道具の中から特にお気に入りの一つを芸者衆全員からご提供頂き一つ一つ大切に撮影いたしました。
普段はならなか触れることの出来ない新橋花柳界の文化、習慣を「モノ」という側面から感じて頂ければ幸いです。
現在新橋には38名の芸者がおりますが38名分を一度に展示することは難しいため前期後期に分けて展示いたしますのでそれぞれの展示をご覧いただければ幸いです。また東をどり初期の写真も数点展示し、その歴史を感じて頂く展示となっています。