Exhibition展示案内

展示案内

BANGLADESHDESTINATION

2024.11.13Wed - 11.21Thu

大村 英明

私の長い旅(東南アジア)の最後の目的地はバングラデシュだった。教科書などで名前は知っていたけど、その国がどこにあるかも分からず、観光資源も少なく、仕事で行く機会もなく、もしかするとこの国を見る事なく終わりを迎えるかもしれないと思っていた。

2022年、コロナワクチン接種証明書を持って出国しなければならない時期に最初の渡航を試みた。飛行機が高度を下げていくと、雲から見える街並みは想像していたよりも近代的に見えて、少し前の東南アジア程度にしか見えなかった。イミグレーションを出るときに、日本人だけに用意されたアライバルビザのカウンターを発見して、日本とバングラデシュの深い関係性を知った。

沢山の国を一人で旅して来たが、初めて現地ガイドを付けて旅をする事になり、空港でガイドと合流。夜遅くに到着して、初めてここがカオスな国だと実感した。力車、バイク、バス、乗用車が無秩序に行き交う様に驚愕した。目を開けて前を見る事ができない、数センチ単位で止まる車やバイク、右側左側でもお構いなしに走る。クラクションを鳴らす音は半端ない。ホテルまでの道中で、なぜここに来たんだろうか?14日間も耐えられるのか?初めて後悔してしまった。
到着の翌日オールドダッカに出向き撮影を開始したが、ガイドから離れるなとの指示の元に、街中をぶらぶらと撮影開始した。ダッカでも一番の場所にもかかわらず、一人の外国人にも遭遇しない。こんな事初めての経験であったが、行き交う人にカメラを向けても嫌な顔もせず、沢山のスナップを撮らせてくれる。昨今、肖像権云々と言われて、なかなかスナップを撮れないご時世だが、ここバングラデシュは違う。どんどん撮ってくれと相手から言ってくる。

最初の訪問から2年の間に4回もバングラデシュを訪れるとは思ってもいなかったが、街に慣れ人に慣れてしまうとこの国が好きになってしまう。宇宙にいくよりも、海底探査にいくよりも、目線の高さの先にあるまだ見ぬ国があることに気付いた。
そろそろ終焉を迎える年になってきたが、この国に出逢えて改めてエネルギーをチャージ出来たのかもしれない。バングラデシュの貧困生活を送る子供たちは、目が覚めると今日一日何が食べられるのか、親が与えるものは僅かだから自分で探さなければならない。そんな境遇の中、今日と明日を迎えている。何もできないけど、何かを残してあげたいと思っている。

展示詳細

会期
2024年11月13日(水) ~ 11月21日(木)
11:00 - 18:30 日曜日定休 (最終日 17:00閉場)
※社会情勢により時間や期間を変更する場合があります。
※スペースの関係上、お祝花はお断りさせていただいております。

大村 英明Hideaki Omura

1956年 東京生まれ

東京写真大学短期学部(現 工芸大学) 卒業

2020年 12月 川越にCLOUD GALLERYをオープン