Exhibition展示案内

過去の展示

彼 女 の 小 宇 宙- her microcosm -

2024.12.11Wed - 12.19Thu

白井 里実

親の世界と子供の世界にどんな接点があるだろうか。

子供ができてから、私の世界の中に新しい存在が現れました。小さな丸のようだったそれは、時間と共に少しずつ大きくなり、中に別の世界ができているようです。その住人は成長と共に自我を持ち、せっせと彼女の世界を作っています。

生まれて初めて目にする物、周りの大人や子供たち、植物や動物、絵本やアニメのキャラクターなど、最初はこれらが無秩序に転がり広がっていたであろう彼女の世界。描く絵や粘土の形に現れ、言葉や行動などは年齢ごとに変化しています。

記録のように目の前の存在をただ撮ってきた写真は、その変化が見えると同時に、複雑な味のするお菓子を食べたような感覚を運んできます。

折り紙や工作を一緒にやってきた子供と、写真制作をいつかやってみようと思っていた。今回は少し大きくなった彼女が作ったものや、撮って選んだ写真も交えて制作しています。

この展示で、想像・日常生活・平面・立体物・時間などが交差するイメージ空間を表現できたらと思います。

Existence

2024.11.27Wed - 12.05Thu

Hiroshi Yoshida

目には見えていなくても確かにそこにあるものを私たち人間は感じ取ることができます。たとえそれを意識することができなくても心身の随所は反応していて、時が経つとそれとは全く違った形で目の前に姿を現すでしょう。

約14年間、時に1日の大半を川や海に入り自然の水の流れや光を体感し、その様々な表情に心を動かされてきました。川を渡りながら壁が動いてくるような勢いや圧を感じたり、冬には肌を裂くような鋭さや硬さを感じました。

そんな水の姿を僕の解釈も含めて、実際にレンズを通した撮影でしか残し得ない滲みやズレ、差異を大切にしながら体感した水と光の経験を元に作品としています。

石と水の作家 Hiroshi Yoshidaの水と光をテーマにしたGRAPHICシリーズ、是非会場にてお楽しみくださいませ。

BANGLADESHDESTINATION

2024.11.13Wed - 11.21Thu

大村 英明

私の長い旅(東南アジア)の最後の目的地はバングラデシュだった。教科書などで名前は知っていたけど、その国がどこにあるかも分からず、観光資源も少なく、仕事で行く機会もなく、もしかするとこの国を見る事なく終わりを迎えるかもしれないと思っていた。

2022年、コロナワクチン接種証明書を持って出国しなければならない時期に最初の渡航を試みた。飛行機が高度を下げていくと、雲から見える街並みは想像していたよりも近代的に見えて、少し前の東南アジア程度にしか見えなかった。イミグレーションを出るときに、日本人だけに用意されたアライバルビザのカウンターを発見して、日本とバングラデシュの深い関係性を知った。

沢山の国を一人で旅して来たが、初めて現地ガイドを付けて旅をする事になり、空港でガイドと合流。夜遅くに到着して、初めてここがカオスな国だと実感した。力車、バイク、バス、乗用車が無秩序に行き交う様に驚愕した。目を開けて前を見る事ができない、数センチ単位で止まる車やバイク、右側左側でもお構いなしに走る。クラクションを鳴らす音は半端ない。ホテルまでの道中で、なぜここに来たんだろうか?14日間も耐えられるのか?初めて後悔してしまった。
到着の翌日オールドダッカに出向き撮影を開始したが、ガイドから離れるなとの指示の元に、街中をぶらぶらと撮影開始した。ダッカでも一番の場所にもかかわらず、一人の外国人にも遭遇しない。こんな事初めての経験であったが、行き交う人にカメラを向けても嫌な顔もせず、沢山のスナップを撮らせてくれる。昨今、肖像権云々と言われて、なかなかスナップを撮れないご時世だが、ここバングラデシュは違う。どんどん撮ってくれと相手から言ってくる。

最初の訪問から2年の間に4回もバングラデシュを訪れるとは思ってもいなかったが、街に慣れ人に慣れてしまうとこの国が好きになってしまう。宇宙にいくよりも、海底探査にいくよりも、目線の高さの先にあるまだ見ぬ国があることに気付いた。
そろそろ終焉を迎える年になってきたが、この国に出逢えて改めてエネルギーをチャージ出来たのかもしれない。バングラデシュの貧困生活を送る子供たちは、目が覚めると今日一日何が食べられるのか、親が与えるものは僅かだから自分で探さなければならない。そんな境遇の中、今日と明日を迎えている。何もできないけど、何かを残してあげたいと思っている。

RENCONTRE À PARIS- 巴 里 で の 出 会 い -

2024.10.30Wed - 11.07Thu

Ryo Sasaki

2014・2018・2023年に訪れたパリのストリートフォトである。
パリを街歩きすると移民国家なのかその寛容さ明るさと好い加減さと時に怪しさを感じるが、私はそんなパリが好きだ。作品を語れるコンテクストは特にないがその長い歴史と人間味に魅力を感じひたすらシャッターを切った。

パリは撮り尽くされと言われているが時代が街が変化する限り様々な情景と人びととの「出会い」があり、その瞬間を撮る事に喜びを感じる。

展示作品は全てモノクロームでフィルム・バライタプリントとデジタル・ラムダバライタプリントで表現した。

INTERMEZZO- 世界が静まる時 -

2024.10.16Wed - 10.24Thu

Giovanni Piliarvu (ジョバンニ・ピリアルヴ)

場所よりも、時間が重視される。夜、その多彩な色合いと移り変わりの瞬間は、毎晩黄昏から夜明けまでの唯一無二の旅を提供します。
地理的なルートに従わず、一日の終わりから次の日の始まりへと移り変わる時間の中を歩みます。
太陽と共に生きる私たちが普段気づかない瞬間を見つける旅です。日が沈むと、空は暖かい色に染まり、やがて夜が訪れます。深い闇が広がり、遠 くの星々が輝く夜の旅の終わりに、新しい一日が訪れる夜明けが待っています。
この展示では、 地理的な距離を超え、想像の中で一夜を過ごし、その多様な顔を発見します。

Majestic Airport

2024.10.02Wed - 10.10Thu

林 岳児

着陸間際、眼下の景色に心を躍らす旅人がいる

離陸を知らせるチャイムに、静かに故郷への別れを告げる人もいる

大切な人との再会を待ちきれない人もいるかもしれない

旅客機は多くの人の想いを乗せて飛ぶから、魅力が尽きないのである

しかし、轟音と共に飛び去った感情たちは、二度と戻ってはこない

それならせめて、今ある一瞬を写し留めておこう

それぞれの空港にある土地柄や空気感、そして名もなき季節の色を添えて

Language

2024.09.18Wed - 09.26Thu

金本 凜太朗

思えば、幼少期は草花と会話ができていたような気がする。

大人になってしまった今でも、時折、それに近い感覚を覚える瞬間がある。

言葉で伝えることがどうしても苦手でそれから逃避するように、

これまで写真という手段を通じて自分の世界に没頭してきた。

言葉が無くとも通じ合える世界。

OMIYAGE 1/2

2024.09.05Thu - 09.10Tue

山中 夏歩

約10年間、ポートレートモデルとして撮影の被写体として各地に出掛けた先でみつけた"お土産"。

写真に写るという撮影との関わりの中で、被写体として多くのロケーションに出かけてきた。
自分が写るという意識の中から、やがて自分の目に写る季節の移りかわりや花の種類、人々の表情や感情、何気ない景色、今まで見落としてきたモノを意識しながら、あるいは無意識のうちにみつけられるようになってきた。

私はモデルとしてではなく、写真を撮る者として偶然にも見つけたこのときめきを写真に写して持ち帰ってみたくなった。

日常や旅行先、出掛けた先で見落としていたかもしれないものを私は見つけた。
この偶然的にも撮影したものがやがて必然として撮影できるようになっていく。
私が被写体という意識のなかで見た世界をやがてその意識をもとに撮影者としての感覚で撮り続ける。この日常の風景を、多くの人に届けられたらとおもう。

※この写真展は、写真家として取り組む自身の撮影テーマOMIYAGEの予告版として、タイトルも2分の1と名付けました。
予告版スナップ写真集を会場限定で販売いたしますので是非お越し下さい。
また、モデル山中夏歩として去年度より制作しております集大成となる本のお渡し会も同時に行います。

新 僕の知らない鎌倉

2024.08.17Sat - 08.26Mon

栗田 尚

鎌倉が変わった...。
正確には、 私の目に映る、 心に感じられる鎌倉が変わった。

それは何十年ものあいだ離れていた幼なじみと再会し、 ゆっくりと時間をかけて語り合ううちに互いを隔てていた見えない溝が埋まっていくようなものだっただろうか。

少年期の記憶と積み重なった時間が生んだ、 かつて住んだ土地への‘人見知り’は
消えてその風景や空や風への愛着が日毎に深まるのを感じている。

記憶の中の過ぎし日の街から、今をともに生きる場所へと変わった鎌倉への私の想いがご覧いただく方に少しでも伝わってくれたらこの上なく嬉しい。

PENTAX 17展

2024.07.24Wed - 08.01Thu

PENTAX 17メンバー

PENTAX17展

PENTAXにとって久しぶりの、本当に久しぶりのフィルムカメラが誕生しました。

アナログ写真は時代を重ね、その歴史と共に今の時代のカルチャーとして新しい価値を創出しています。

なぜフィルム写真が愛されるのか、ことばでは語り尽くせないアナログの魅力を今回の写真展で多くの皆さまにお伝えできればと思います。

各ジャンルで活躍されている写真家の方々に作品を撮っていただきました。
フィルムならではの作品をぜひお楽しみください。

It’s Time for Film!